ART ART ART

アート、映画、英語とか好きなもの色々

ミュシャ展感想!圧巻の《スラブ叙事詩》全20作を見に行こう!

「ミュシャ展」に行ってきました。 

メディアでも大きく取り上げられていたので絶対に混んでるだろうと思い、気合いをいれて平日に行きましたが、平日でも十分混んでいました!

ただ、並んででも見る価値のある圧倒される作品ばかりで、絶対に見に行った方がいいです!6/5まででその後は日本国内での巡回はありませんのでお急ぎください!

f:id:turquoiselife:20170413211935j:plain

 

 

ミュシャって誰?

 アルフォンス・ミュシャ(Alphonse Mucha 1860-1932)と聞いて、華やかなポスターやカラーリトグラフ(装飾パネル)をイメージする方は多いのではないでしょうか?

ポスターの優美な女性像のイメージが強かったため、勝手に女性画家だと思い込んでいたのですが、男性画家だったんですね。

http://www.muchafoundation.org/static/img/timeline/timeline_landing.png

 (引用:Mucha Foundation

ミュシャはアール・ヌーヴォーを代表する画家で、彼の画家人生は、前半をおなじみの華やかなポスター作成期、後半を《スラヴ叙事詩》に作成期に分けることができます。

 

前半:人気商業画家時代

ミュシャは、オーストリア領モラヴィア(現チェコ共和国)に生まれました。

19歳の頃にウィーンに舞台装飾画家として働きに出ましたが、その劇場が焼失したことから解雇になってしまったのをきっかけにミクロフへ行き、名士の肖像画制作で生計を立てるようになります。その間にミクロフの大地主に出会い、彼のお抱えとしてお城の絵画の修復を担当するように。

 

その大地主の伯爵の援助もあり、ミュンヘンの美術アカデミーに留学することになり、卒業後はアカデミー・ジュリアンで学ぶためにパリへ行きます。

 

伯爵の援助がここで切れてしまったことからミュシャは挿絵や広告の仕事を始めます。画家との交流もあり、30歳頃からはポール・ゴーギャンやロダンと親交を深めました。

 

そんな中転機がやってきます!!

戯曲『ジスモンダ』という舞台に主演する大人気女優サラ・ベルナールのためのポスター制作を依頼されます。ミュシャにとって本作が初めてのポスター作成でしたが、このポスターが大好評となり、一躍ミュシャは有名に!ベルナールとも約6年間も契約を結ぶことになります。

そのミュシャの転機となったポスターがこちらです↓

http://www.mucha.jp/gismonda1.jpg

(引用:Wikipediaアルフォンス・ミュシャ - Wikipedia

 一躍大人気になったミュシャは、演劇用のポスターのみならず、広告用ポスターや挿絵、お菓子のパッケージ等のデザインを手掛ける等、活躍の幅を広げました。

今でも人気はモエ・シャンパンの広告ポスターも手掛けていたようです。こちらはタバコの広告ポスター↓

https://mucha.sakai-bunshin.com/servlet/mucha_image?pid=440049

(引用:《ジョブ》(1896)堺市立文化館 堺 アルフォンス・ミュシャ館 | 堺 アルフォンス・ミュシャ館について) 

アートを人々の生活の中に取り入れることができる広告やパッケージ等に精力的に取り組んだのは、イギリスのアーツ・アンド・クラフツ運動の意思を引き継いでいたミュシャのアートに対する考えにも合致していたのからなのかもしれませんね。

後半:《スラヴ叙事詩》時代

大活躍をしていたミュシャですが、1900年のパリ万博で参加国22カ国でスラヴ文化の象徴となるボスニア・ヘルツェゴビナ館の室内装飾の依頼を受けてから、スラヴ民族の素晴らしさを伝えたい絵画制作をしたいとの想いが強まるようになります。ボストン交響団の「わが祖国」を聞いてよりその想いが強まり、《スラヴ叙事詩》の作成を決意します。そして完成した連作は、チェコスロヴァキア独立10周年の1928年に、プラハの宮殿で公開されました。

 

その後プラハ市に寄贈されるも、残念ながら完成当時は古風な歴史画と捉えられてかあまり人気はなかったようで、常設されることなく長年倉庫に保管されていました。ようやく公開されるようになったのはなんと2012年で、チェコでもなかなか見ることができなかった作品たちが日本にやってきたのでやっぱりすごいですよね!

 

ミュシャが牽引したアール・ヌーヴォーというジャンルの詳細については以下に記事を書いています↓

turquoiselife.hatenablog.jp

展覧会の見どころ

見所その①:チェコ国外で初公開!

 今回の展覧会の見所はなんといっても《スラヴ叙事詩》です!

なんと全作がチェコ国外で公開されるのは今回が初めてなのです!ミュシャの故郷であるチェコ以外で日本が初めてです!

 

日本ではミュシャは人気なので色々な展覧会で彼の作品を見ることはできるのですが、やはりミュシャと言えばポスターのイメージが強く、彼が画家人生の後半を捧げた《スラヴ叙事詩》20作を一挙に見ることができるのはチェコに行かない限り一生に一度になるのではないでしょうか?

このチャンスは逃せませんね!六本木に見に行きましょう!

 

《スラブ叙事詩》の展覧会のポスターはこちら↓

ポスターからもう素敵ですよね!!

https://mucha.sakai-bunshin.com/members/servlet/ImgServlet?file=2012-04-04-15-30-04-810_1199.jpg

(引用:堺 アルフォンス・ミュシャ館堺市立文化館 堺 アルフォンス・ミュシャ館 | 展示情報

見所その②:20作全揃い!

20作品が一度に同じ空間に並んでいるのは圧巻です!何時間でもその場にいれそうで、ちょろちょろ歩きまわりすぎて腰が痛くなったくらいです。。

 

視覚的にも十分に楽しめるかと思いますが、ミュシャがせっかく祖国への想いをたっぷり詰め込んだ作品ですので、その歴史的背景や意味について少しでも知っていたらより鑑賞を楽しめるはずですので、ぜひぜひ予習をしていってみてください!

 

普段音声ガイドはあまり利用しませんが、今回は作品に込められた想いを理解するためにとても役立ちました!心地よい音楽と壇れいさんの優しい声にも癒されるのでぜひ利用してみてください(¥520)🎵

 

そして、撮影可能コーナーがあり、なんと20作中5作については写真撮影が可能です!

撮影可能だった5作をご紹介します!

 

①《スラブ菩提樹の下でおこなわれるオムラジオ会の誓い》(The Oath of Omladina under the Slavic Linden Tree)

f:id:turquoiselife:20170413212624j:plain

色合いがとても素敵な一枚ですよね。

スラブ民族を外国の支配から解放することを目指した団体オムラジナを描くことで、スラヴ民族の復興を願った一枚です。後ろにいる一部の人の顔が描かれていなかったりと、まだ未完成なのではないかと思われています。

 

注目したいのは、画面左下で鑑賞者に視線を投げかけているこちらのハープ弾きの少女。なんとミュシャの娘がモデルなんだそうです!ポスターにもなっていて、ミュシャのポスターで描かれている女性のようにとても美しくて引き込まれてしまう魅力がありますよね。

f:id:turquoiselife:20170413213353j:plain

 

②《聖アトス山》(The Holy Mount Athos) 

f:id:turquoiselife:20170413212641j:plain

アトス山の寺院はギリシャ正教会最古の宗教施設で、正教会の僧侶はスラヴ文化の普及に献身したころからミュシャは題材に選んだのではないでしょうか。

 

③《スラヴ民族の賛歌》(The Apotheosis of the Slavs)

f:id:turquoiselife:20170413212653j:plain

スラブ民族の自立を象徴したこの作品はシリーズ最後の作品です。

4色のパートに分かれていて、左上の赤い部分は戦争と領土拡張、その下の黒い部分は遊牧民の襲撃と抑圧の時代、右下の青い部分はスラヴの神話時代、その隣の黄色い部分はチェコスロヴァキアからの独立により得た自由・平和・友愛・勝利を表しています。

 

④《イヴァンチツェの兄弟団学校》(The Brethre School in Ivancice)

f:id:turquoiselife:20170413212658j:plain

チェコの宗教改革運動を牽引した学校を題材にした作品です。

手前にいる2人に視線が引き込まれますが、この盲目の老人に聖書を読んでいる少年は若かった頃のミュシャをモデルに描かれたものだそうです。

鑑賞者にがっつり視線をなげかけていて何かを訴えかけているようですね。

というか若きミュシャはイケメンですね(自分で盛っちゃった?笑)。

f:id:turquoiselife:20170413213416j:plain

 

⑤《ロシアの農奴制廃止》(The Abolition of Serfdom in Russia)

f:id:turquoiselife:20170413212659j:plain

 こちらはスラブ・ロシア文化好きなアメリカ人のパトロンに依頼されて、実際にロシアに取材訪問して描いた作品です。ロシアの農奴制度の廃止が他のヨーロッパの国々に比べて遅かったことから、ロシアにおける格差の解消を願って描かれたそうです。

農奴制度の廃止がテーマなのにどこか人々がその状況をまだ理解できていないような表情なのが印象的です。

見所その③:圧巻の大画面!

 写真ではなく、絶対に実物を見に行った方がいいのは、20作品のどれも大迫力の大きさで、見ても見ても新しい発見がある程見所がたっぷりで圧倒される作品ばかりだからです!混んでいる美術展はゆっくり作品を見ることができないのであまり好きではないのですが、今回の作品はどれも大きいので鑑賞者が大きくても十分時間をとって鑑賞することができました。

こんな大きい作品を20点もどうやって運んで展示したんだろう。。と思いましたが、その展示風景が公式HPに載っていました↓


スラヴ叙事詩展示風景

 

展覧会概要

会期:2017年3月8日(水)ー 6月5日(月)

会場:国立新美術館

開館時間:午前10時―午後6時(毎週金曜日、4月29日(土)-5月7日(日)は午後8時まで)

休館日:毎週火曜日

www.mucha2017.jp

 もっとミュシャの作品が見たかったら

堺 アルフォンス・ミュシャ館(6/30まで休館中)

日本にもミュシャの美術館があります!

mucha.sakai-bunshin.com

 

プラハ ミュシャ博物館(プラハ)

MUCHA museum

 

Mucha Foundation

ミュシャの作品たちを見ることができるサイトです。

www.muchafoundation.org

 

展覧会公式カタログ

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

ミュシャ展 [ 国立新美術館 ]
価格:2399円(税込、送料無料) (2017/4/14時点)