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アート、映画、英語とか好きなもの色々

ZOZO TOWN社長 バスキアを123億円で落札!

サラリーマンの生涯年収が2~3億円

今年のドリームジャンボ宝くじの1等が7億円

ZOZO TOWN社長が落札したバスキアの絵画が123億円

 

ん!?絵画が123億円?123万円の間違いではなくて?

 

 

ZOZO社長が落札したバスキアは123億円!

123億円で間違いありません。

5月18日にZOZO TOWN社長の前澤氏が世界的オークション会社であるサザビーズがNYで開催したオークション会社で、バスキア作品を123億円で落札したそうです!

 

それがこちら↓

http://www.nikkei.com/content/pic/20170519/96958A9E93819695E3EB9A90E38DE3EBE2E7E0E2E3E5E2E2E2E2E2E2-DSXMZO1664366019052017CR8001-PB1-3.jpg

(引用:日経新聞記事(2017 The Estate of Jean―Michel Basquiat)バスキア絵画に123億円 ゾゾタウン前沢氏が落札 :日本経済新聞

 

しかも、ZOZOの社長さんはバスキア作品を買ったのはこれが初めてではありません。

昨年の5月に買ったのがこちら↓

https://d1kls9wq53whe1.cloudfront.net/articles_photos/12632/410x615/75ec593ba049eac69b6a2ee7267cd780.jpg

 (引用:UNTITLED (1982) JEAN-MICHEL BASQUIAT(「僕がバスキアの絵を62.4億円で買った理由」ZOZOTOWN前澤友作 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

クリスティーズというもう一つの世界的オークション会社がNYで開催したオークションで、こちらは62億円で落札!なんとバスキア作品では最高額!それだけでも衝撃的だったのに今回はまさかの落札額がになってる!笑

 

しかもしかも、この123億円というのは、アメリカ人アーティストの作品の落札額としては史上最高額なんだそうです!史上最高額!歴史を作っちゃいましたね。

 

ZOZO社長さんは日本の長者番付では14位だそうです。

 

バスキア最高額を記録した当時のインタビューはこちら↓

forbesjapan.com

 

オークションが開催される時期になると高額落札のニュースは目にしますが、日本人がこれだけ高額なものを匿名にせずに落札するのは珍しく、海外のメディアでも大々的に取り上げられ、MAEZAWAの名前を世界に広めるきっかけとなりました。

 

今回の落札についてもしっかりと海外メディアで報道されています。

time.com

彼は誰なんだ!?なんでそんなお金持ってるんだ!?とメディアが騒げば、会社の宣伝を世界的にしてもらえる、という意味では、123億円は安いものなのかも知れませんね。

 

バスキアって誰?

ジャン=ミシェル・バスキア(1960-1988)は、NYブルックリン生まれのハイチ系アメリカ人画家。ティーンエイジャーの頃から地下鉄やスラム街でスプレーペインティングを始め(え、問題児?笑)、高校は中退してTシャツやポストカードを売って生活をしていたそうです。

http://basquiat.com/images/homepage-image.jpg

(引用:Jean-Michel Basquiat

 

その後バスキアのスプレーペインティングや人種差別等をテーマにしたメッセージ性のある作品は評価され、これ↓で知られるキース・ヘリングの助けもあって個展を開くまでに!

http://giver.jp/wp-content/uploads/2014/02/keith_art.jpg

(引用:http://haring.com

しかもその後はポップアートの巨匠アンディ・ウォーホルとの協同作品を作る等、イケイケな一流のアーティストの仲間入りを果たし、美術界で成功を収めた始めての黒人アーティストとしても有名です。

 

しかし、数年後にウォーホルが亡くなると、後を追うようにヘロインの過剰摂取でバスキアは27歳の若さで亡くなります。

 

日本でバスキア作品を見たかったらこちらが参考になります↓

matome.naver.jp

 

まとめ

純粋なアート好きの現代アートのコレクターでもあり、地元である千葉に美術館を作る構想を立てているそうなんです。

じゃんじゃんお金使ってなかなか見れないアート作品を見れる機会をぜひ作ってほしいですね!  

もっとバスキアを知りたかったら

◆公式サイト(英語)

Jean-Michel Basquiat

 

◆バスキア入門?

バスキア (角川文庫)

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 ◆バスキアの映画もあります!

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◆コアなファンならバスキアグッズ

意外とバスキアの作品は商品化されてるんですね。こんなのもありました↓ 

王冠はバスキアのトレードマークだそうです。


 

シャセリオー展感想!日本初の大回顧展は必見です!

上野の国立西洋美術館に「シャセリオー展-19世紀フランス・ロマン主義の異才-」を見に行ってきました!

週末の午後と一番混んでいそうな時間帯に行きましたが、絵画の前で並ぶ必要はほとんどなく、ひとつひとつの作品をじっくり見ることができました。

5/28(日)までですのでお急ぎください!

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展覧会の構成

本展覧会の構成は以下の通りで、シャセリオーの画家としての変遷が辿れるだけでなく、シャセリオーが影響を受けた画家、またシャセリオーに影響を受けた画家の作品を鑑賞することもでき、美術史の理解も深めることができる展覧会でした!

 

1. アングルのアトリエからイタリア旅行まで

2. ロマン主義へー文学と演劇

3. 画家を取り巻く人々

4. 東方の光

5. 建築装飾ー寓意と宗教主題 

シャセリオー展に行く前におさえておきたいポイント

シャセリオーって誰?

そもそも、シャセリオーって誰なの。。?

お恥ずかしながら、本展覧会で初めてシャセリオーという存在を知りました。

 

テオドール・シャセリオー(1819-1856)の自画像はこちら↓

あまりイケメンではない?(個人の主観によるものです。。)印象ですが、フランスで最も美しい体の持ち主と言われていたアリス・オジーと恋人関係だったそうです!才能溢れる芸術肌の方はいつの時代もモテるのでしょうか。

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シャセリオーは現在のドミニカ共和国に生まれ、父の故郷であるフランスに帰国してからは11歳の若さで、あの現実的には同じポーズをとることが難しいとされる《グランド・オダリスク》(1814)でも有名なドミニック・アングル(1780-1867)の弟子となり、16歳ではサロンにも初出品を果たしました。

20歳の時に行ったイタリア旅行で再会したアングルとは、方向性の違いから決裂してしまい、独自のスタイルを築きあげていきます。

新古典主義のアングルはロマン主義反対派で、ロマン主義に傾倒していたシャセリオーとは馬が合わなくなってしまったのですが、シャセリオーの作品を見ると、幼い頃からの師匠であったアングルの優美な曲線美が受け継がれていることが分かります。

 

その後、同時期にオリエンタリズムの作品が多く見られるように、シャセリオーも他の画家同様、アルジェリア方面への旅行を通じて数々のエキゾチックな作品を残します。

 

その後は教会の壁画作品等の制作に精力的に取り組みますが、元々体が弱かったシャセリオーは、37歳の若さで亡くなってしまいます。なかなかシャセリオーの作品を見る機会に恵まれないのは、短い人生だったが故、作品の数が限られているからなのかもしてませんね。

新古典主義って何?

シャセリオー師匠であるアングルがそのスタイルを貫いた「新古典主義」は、18世紀後半〜1830年代頃まで美術界を牽引しました。ロココの快楽主義に対する非難から生まれた新古典主義は、古代ギリシャ・ローマ文明精神を復活させようとヨーロッパで哲学者たちが啓蒙活動を行ったことで発展しました。

 

新古典主義の主題はギリシャやローマの歴史のヒーローソクラテス等で、ロココの裸の女神等の主題は批判されてしまいました。

ロマン主義って何? 

 その後、18世紀後半から19世紀に台頭したのがロマン主義でした。ロマン主義では、合理的思考に基づいた新古典主義の反動から、「内面世界」の表現が重視されるようになり、感情や人間心理、自然の力等が強調された作品が生まれました。

自然の力の表現で言うと、ターナー等が代表的な画家として挙げられます。

展覧会の見所

①シャセリオー大回顧展は日本初!

シャセリオーの人生は短かったことから、作品数が約260点と多くなく、本場のフランスでもシャセリオー単体が特集され、まとまって彼の作品を見る機会はなかなかないそうです。

そんな中、今回の展覧会のために、日本に100点弱もの作品が集まったのです!

なかなかまとまって見ることができない彼の作品を一度に見ることができるこの機会は逃せませんね!

巡回はせずに国立西洋美術館のみでの開催となるため、まだの方はお急ぎください!

②肖像画が面白い!

正直、私は肖像がの絵画を見ても「ふーん」と思って終わってしまうことが多いです。ちゃんと作品の比較等をすれば奥が深い世界なのだろうけど、どれも同じに見えてしまってよほどモデルの顔にインパクトがないとなかなか覚えることができません。。

 

がしかし!シャセリオーの肖像画は見ていてその人の性格や特徴が伝わりとても面白かったのです!

例えばこちら↓の肖像画。よく見る肖像画どれも気品溢れる表情をしていて、いわゆるロールモデルに当てはめたような顔立ちをしていますが、こちらの肖像画は、人間味があると言いますか、性格が画面からにじみ出ていますよね。

こういう人なんだろうなーと想像しながら見て周るのもニンゲン観察をしているようで、シャセリオー作品の楽しみ方の一つかもしれませんね!

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 (引用:展覧会公式HP《ドサージュの肖像》(1850)TBS「シャセリオー展」|TBSテレビ

③エキゾチックな作品の数々

そしてなんと言っても展覧会後半になって登場する、シャセリオーがアルジェリア訪問時に描いたオリエンタリズム溢れるエキゾチックな作品たちです!

どの作品も色彩だったり人々の目力だったり、インパクトが強く、異国情緒溢れる雰囲気に引込まれてしまいます。

人々の個性を捉えて表現するのがうまいだけあって、アルジェリアの作品に登場する人々も皆個性があり、特にその強い目力には圧倒されます。目を見ると、思わず作品の前で足を止めてしまう感じです。

 f:id:turquoiselife:20170508235430p:plain

(引用:展覧会公式HP《コンスタンティーヌのユダヤ人の娘》TBS「シャセリオー展」|TBSテレビ

まとめ

なかなか見るチャンスのないシャセリオーの作品をまとめて見ることができる貴重な展覧会です!特にエキゾチックなアルジェリアで描かれた作品は引込まれる魅力があり、見に行く価値大の美術展でした! 

展覧会概要

・会期:2017年2月28日 (火) 〜 5月28日 (日)

・会場:国立西洋美術館(東京・上野公園)

・開館時間:午前9時30分 〜 午後5時30分 (金曜日は午後8時)  

・休館日:月曜日

 

シャセリオー展の半券を使って国立西洋美術館の常設展も見ることができるのではしごをするのもいいですね!

www.tbs.co.jp


山田五郎の『シャセリオー展』の楽しみ方【TBS】

シャセリオーについてもっと知りたかったら

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オルセーのナビ派展感想!あなたは誰派?お気に入りの画家を探しに行こう!

三菱一号美術館で開催中の「オルセーのナビ派展」に行ってきました!

週末の閉館2時間前程に行きましたが、待ち時間ゼロで、館内もそこまで混雑しておらず、ゆっくり絵画の前に立って思う存分鑑賞することができました!

 

 

展覧会の構成

本展の構成は以下の通りで、ゴーギャンの作品からスタートし、彼に影響を受けた画家たちをテーマ別に見ることができ、ナビ派というジャンルを理解するのにも大変分かりやすい構成でした!

 1. ゴーガンの革命

 2. 庭の女性たち

 3. 親密さの詩情

 4. 心のうちの言葉

 5. 子ども時代

 6. 裏側の世界 

ナビ派展に行く前におさえておきたいポイント

①ナビ派って何?

そもそもナビ派ってあんまり聞き慣れないですよね。私は、お恥ずかしながら何か聞いたことあるけどナビ派っていつの時代のジャンルかもぱっと出てきませんでした。。。

 

ナビ派は一言でいうと、ゴーギャンに影響を受けた画家たちによって結成された芸術グループ

出たゴーギャン!!個人的に大好きな画家の一人で、ゴーギャンの意思を受け継いだ画家たちの作品と聞いただけでこれは絶対に見に行かなくてはと思いました笑

 

ゴーギャンの時代なので、モネやルノアールが代表するいわゆる印象派の後、後期印象派としてゴーギャン、セザンヌ、ゴッホ、スーラ等の画家が台頭した19世紀末頃にナビ派は生まれました。

 

ナビ派の特徴は、元祖ゴーギャンの特徴を知らずには語れない!

ということでまずはゴーギャンの特徴をおさえておきたいのですが、モネの睡蓮とかを見ても感じられるような「感覚的な印象」「現実描写」を題材とした印象派が主流だった当時、ゴーギャンはこのスタイルに反して「総合主義」という新しいスタイルを確立します。

 

この総合主義では何を「総合」しているかと言うと、以下3点を総合しています。

1.  自然形態の外観

2.  主題に対する画家自らの感覚

3.  線・色彩・形態についての美学的な考察

(引用:現在美術用語辞典2.0総合主義:現代美術用語辞典|美術館・アート情報 artscape

 

印象派との大きな違いは、視覚的に見える景色の印象をある意味現実描写する印象派に対して画家自らの感覚を表現する点と独自の美学に基づいた線・色彩・形態を使用する点でしょうか。

ゴーギャンの絵を見ると分かりますが、単純化された輪郭の中に鮮やかな色彩を平塗りするスタイルは印象派とは真逆をいっている気がするくらいのインパクトがありますよね。 

 

印象派の作品と比べると、よりそのスタイルの違いがよく分かります。↓

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/b/b7/Pierre-Auguste_Renoir_-_Madame_Monet_and_her_Son.jpg/800px-Pierre-Auguste_Renoir_-_Madame_Monet_and_her_Son.jpg

(引用:《モネ夫人と息子》(1874)Wikipediaピエール=オーギュスト・ルノワール - Wikipedia

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/7/73/Paul_Gauguin_056.jpg/800px-Paul_Gauguin_056.jpg

 (引用:《タヒチの女(浜辺にて)》(1891)Wikipediaポール・ゴーギャン - Wikipedia

 

話は戻ってナビ派ですが、ナビ派の画家たちはそんなゴーギャンの美学に影響を受けつつも、自分たちをヘブライ語で予言者(ナビ)と呼び新しい芸術スタイルを模索しました。ゴッホ等の画家も集まったポン・タヴェンでゴーギャンに出会ったポール・セリュジがゴーギャンのスタイルを学び、パリに戻ってから友人に伝えたことから前衛的なナビ派は形成されました。

 

ナビ派の絵画の特徴は、本展では以下4点として紹介されています。↓

1. 象徴主義

2. 平面性と装飾性

3. 日常的主題

4. 神秘的主題

個人的には、ナビ派では総合主義の「線・色彩・形態についての美学的な考察」の面が強く、より装飾的な要素が取り入れられたように感じています。

 

ゴーギャンがタヒチでの原始的な生活で創作活動をしたのに対して、ナビ派の画家たちは油絵・版画・ポスター・家具・舞台装置等、幅広い分野で活躍し、アール・ヌーヴォーとも深く関係していたと言われています。

②ナビ派を代表する画家

そんなナビ派を代表する画家には誰がいるのでしょうか?

本展でも「ナビ派の誰派?」企画がされており、こちら↓からも代表的な画家を見ることができますが、個人的に気になる3人をここではピックアップしてみたいと思います。

#ナビ派の誰派?Twitter連動スペシャルコンテンツオルセーのナビ派展:美の預言者たち ―ささやきとざわめき|三菱一号館美術館(東京・丸の内)

<モーリス・ドニ(1870-1943)>

ナビ派結成時のメンバーであるドニは理論派で、独自の絵画理論を展開しています。

どこかナビ派の作品が装飾性を感じられるのは以下の様な本質を持つからでしょうか。

 

「絵画が、軍馬や裸婦や何らかの逸話である以前に、本質的に、ある順序で集められた色彩で覆われた平坦な表面であることを、思い起こすべきである」

 

「美しきイコン(聖像)のナビ」と呼ばれるドニの作品の主な主題は宗教でしたが、風景がや母と子の人物画も描いています。 

こちらの作品は、本展でも見ることができます。↓

http://musey.net/wp-content/uploads/2014/08/image-103.jpg

(引用:《ミューズたち》(1893)MUSEYモーリス・ドニによる絵画作品の一覧|MUSEY[ミュージー]

 彼の美術館もありました↓ 

モーリス・ドニ美術館(フランス)モーリス・ドニ美術館

<ピエール・ボナール(1867-1947)>

ボナールもナビ派結成時のメンバーの一人です。別名「日本かぶれのナビ」と言われ、日本美術愛の強いボナールが浮世絵の影響を受けたのが分かる作品を本展でも見ることができます!

ボナールはアンティミストの代表画家でもあり、室内情景等の身近な題材が主題です。

展覧会のポスターにもなっているこのピンクの格子柄の服を着た女性を描いたのもボナールです。

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(引用:《格子柄ブラウス》(1892)展覧会公式HPピエール・ボナール|オルセーのナビ派展

 個人的にジャポニズムが大好きなので、「ボナールとジャポニズム展」とかいつかやって欲しいです。。!!

<フェリックス・ヴァロットン(1865-1925)>

そして外せないのがヴァロットンです!三菱美術一号館と言えばヴァロットン、というイメージが私の中でつく程、ヴァロットン展を去年?見に行った時の衝撃は今でも覚えています。

昨冬パリを沸かせた謎の画家、ヴァロットン展が日本へ。 | News&Topics | Pen Online

 

どこか冷たい空気が流れている彼の絵に不思議と引き込まれてしまいゾッとするような感覚を味わって鑑賞をしていたのですが、その中でも圧巻だったのはなんといっても版画でした!

白黒だけで平面で装飾性があり、そういう意味でもナビ派っぽさを感じられるヴァロットンの版画はおしゃれで飾りたくなるものの、他の絵画と同じくゾッとするような冷たさ・事件性を感じるものが多く、見れば見るほど色んな物語が見えるようで不思議な気分にさせられました。

 

こちらは本展でも見ることができます。やはり何か不穏な空気を感じますね。。↓

http://statics.pen-online.jp/image/upload/news/vallotton_exhibition/block_02.jpg

(引用:《ボール》(1899)pen onlinehttp://www.pen-online.jp/news/art/vallotton_exhibition/

ヴァロットンの版画の絵はがきは常設のお土産ショップにも置いてありますので、ぜひチェックしてみてください!

展覧会の見所

①日本初のナビ派展

 ナビ派と聞いてピンとこないのも納得、日本で本格的に「ナビ派」の枠でジャンルとして紹介されるのは本展覧会が初めてなのです!

 

印象派のイメージが強かったフランスのオルセー美術館ですが、ナビ派の研究もしていたコジュヴァル館長が就任をしてからはナビ派の作品を多数購入するようになり、その館長と三菱美術一号館の高橋館長が知り合いということから、本展覧会が実現したようです。こう考えると館長が美術館に与える影響って相当大きいですよね!

 

面白い展覧会でもっとナビ派の画家について知りたくなったので、今後は画家一人一人に絞った展覧会も開催されないかなーと期待しています!

② 絵画以外のナビ派作品もあります!

ナビ派は絵画以外の幅広い分野で活躍したと紹介をしましたが、本展覧会でも所謂絵画以外の版画・タペストリー・屏風等といったナビ派の作品も見ることができます!

このような作品を見ると、ナビ派の作品がいかに生活に取り入れられていたかが伺えますね。(版画は本の挿絵となり一般の方の目に触れることが多かったものの、タスペリーや屏風等は裕福な家庭でないとオーダーはできなかったでしょうが。。)

 

本展覧会でも数点ヴァロットンの版画を見ることができます。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/f/fe/Vallotton-Raison.gif

(引用:《La Raison Probante》(1897)Wikipediaフェリックス・ヴァロットン - Wikipedia 

③ジャポニズム要素探しが面白い! 

ピエール・ボナールが日本かぶれのナビ派と呼ばれていましたが、ナビ派の作品は平面なことから、平面が特徴の浮世絵等との共通点探しも楽しめる展覧会です!

やはり特にボナールの作品は浮世絵の影響が強く出ており、浮世絵愛が溢れ出している作品を見るとにやにやしてしまうと同時に、色合いや装飾性、構図等がとても美しく、家に飾りたい。。!という気分にさせられました。

特にこちらの連作が圧巻だったのですが、色合いだったり背景の模様、服の模様、装飾的な曲線等、ナビ派要素と浮世絵要素のどちらも感じられる作品ですね。

f:id:turquoiselife:20170427232631p:plain

(引用:展覧会公式HP本展の見どころ|オルセーのナビ派展:美の預言者たち ―ささやきとざわめき|三菱一号館美術館(東京・丸の内)

まとめ

ナビ派のジャンルをメインとした初めての展覧会で、ナビ派の勉強にはうってつけでした!ますます知りたいという気持ちにさせられる新鮮な気持ちになる展覧会でしたので、ぜひ足を運んでみてください!

展覧会概要

・会場:三菱一号館美術館(〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-6-2)

・会期:2017年2月4日(土)~5月21日(日)

・開館時間 10:00~18:00

     (祝日を除く金曜、第2水曜、会期最終週平日は20:00まで)

・休館日:月曜休館(5月1日、15日は開館)

・入館料:一般1,700円(前売り1,500円)

オルセーのナビ派展:美の預言者たち ―ささやきとざわめき|三菱一号館美術館(東京・丸の内)

ナビ派についてもっと知りたかったら

 


 

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【地中美術館】一度は訪れたい日本の美術館 PART1

すっかり春ですね!暖かくなると外に出たくなりますよね!

皆さんはGWのお出かけ先はもう決まりましたか? 

 

今年は旅行も兼ねて日本各地の美術館に遊びに行ってみてはいかがでしょうか?

 

【一度は訪れたい】シリーズ第1弾!
本シリーズでは、一度は行ってみたい(個人的に)美術館をご紹介していきたいと思います!シリーズ第1弾に選んだのは。。。

地中美術館(直島)!

 

 

え、「地中」にある美術館??と思った方、そうです本当に「地中」にある美術館なんです。今一番行きたい美術館です!せっかく暖かくなってきた今、サイクリングで直島を廻りながら地中美術館でのんびりとした時間を過ごしたい。。。!

 

美術館概要

・住所:〒761-3110 香川県香川郡直島町3449−1

・開館時間:10:00~18:00(10/1~2月末の間は10:00~17:00)

・休館日:月曜日

・入館料:2,060円(15歳以下は無料!)

 

まず住所で香川県とありますが、直「島」なので地中美術館が位置するのはです!

島なので色々な行き方はあるのですが、香川県か岡山県からのフェリーで行くのがメインのようですね。それら県外からだと、新幹線を使うなら岡山県経由が便利そうです!

 

入場料が少しお高めなのは気になりますが、家族連れでいくなら15歳以下は無料なのでむしろお得かも!?

 

気になる混雑具合ですが、海外からの観光客の方が来る程人気なので入場待ちも覚悟した方が良さそうです。。が、入館の指定予約ができるそうなので、Web予約をしていけばスムーズに入館できそうですよ! 

benesse-artsite.jp

地中美術館の見所

地中美術館の建築

地中美術館を設計をしたのは安藤忠雄

例の国立競技場でも話題になった日本を代表する建築家ですね。

直島には安藤忠雄のANDO MUSEUMもあるのではしごをするのもありですね。

直島 | 瀬戸内国際芸術祭 2016

 

http://www.tadao-ando.com/exhibition2017/common/img/common/mc-img-profile.png

(引用:安藤忠雄展HP安藤忠雄プロフィール|安藤忠雄展-挑戦- 国立新美術館開館10周年

 

今年の9月には、国立新美術館で安藤忠雄の展覧会が開催されます!地中美術館をより一層楽しむためにもぜひとも行ってみたいですね!

因みに、国立美術館の建築家は黒川紀章さんです。

www.tadao-ando.com

 

このような↓感じで、地上に建物が立っているのではなく、地中に建物が埋め込まれているのですが、入ってくる太陽光を利用してアート作品が様々な顔を見せるのが特徴的な美術館です。なんと開館中に人口光は一切使用しないんだそうです!

どの作品も自然光を活かしていることからも、行く時間帯によっても雰囲気が違うでしょうから、一日ゆったりとした時間を過ごしながら変化を楽しむのも良さそうですね!

http://benesse-artsite.jp/art/assets_c/2015/10/chichu_top-thumb-1440x960-384.jpg

この地中美術館のようにある特定の地に展示するために作られた作品を「サイト・スペシフィック・アート」と呼ぶんだそうです。

最近はアート・トリエンナーレに足を運ぶ人も多く、美術館に行く意外にもアートを楽しむ方法は増えていますもんね。旅行とアートの両方を楽しめるサイト・スペシフィック・アート鑑賞の旅には私もどんどん行きたいです!

artscape.jp

 

そして、地中美術館で恒常展示しているアーティストは、クロード・モネ、ウォルター・デ・マリア、ジェームス・タレルの、なんとたったの3人!素敵な建物に展示が許された選ばれし3人のアーティストについて見ていきたいと思います↓

クロード・モネ

皆様ご存知のモネ。モネと言えば睡蓮。地中美術館では、モネが晩年に作成した睡蓮の作品を5点鑑賞することができます。晩年のモネと言えばあまり目が見えなくなっていたからか、よりぼやけて、より「印象」の要素が強くなりますが、モネの作品が展示されているモネ室でも自然光しか入っていないので、自然の光が当たるとよりモネの見た池の雰囲気を感じることができそうですね。

http://benesse-artsite.jp/story/uploads/story/monet_recture/monet_recture_1.jpg

(引用:地中美術館公式HP地中美術館 | アート | ベネッセアートサイト直島

絵画だけでなく、地中美術館にはモネの睡蓮が再現されたお庭もあります。ぽかぽか陽気の中、モネの絵を見たあとにこのお庭でぼーっとしてモネの世界観に浸りたい。。!

http://benesse-artsite.jp/art/uploads/art/chichu/garden.jpg 

(引用:地中美術館公式HP地中美術館 | アート | ベネッセアートサイト直島

ウォルター・デ・マリア 

 名前だけで判断して勝手に女性アーティストだと思っていたのですが、男性なんですね。ウォルター・デ・マリア(1935-2013)はカリフォルニア州出身の前衛アーティストで、主にアート・パフォーマンスやランド・アートに注力してきました。

 

特に、《ライトニング・フィールド》は、ランド・アートの代表作と言われています。

本作品は1977年からニューメキシコに野外設置されている横幅が約1.6キロもの大きさがある巨大展示物で、避雷針の役割を果たす作品は、落雷をした際にライトニング・アートとなるんだそうです↓

Dia | Visit | Walter De Maria, The Lightning Field

 

地中美術館で見ることができる彼の作品は2点。

その内の1点がこちらです↓

http://benesse-artsite.jp/art/uploads/art/chichu/artist_demaria.jpg

(引用:地中美術館公式HP「タイム/タイムレス/ノー・タイム」(2004)地中美術館 | アート | ベネッセアートサイト直島

ジェームス・タレル

ジェームズ・タレル(1943-)の作品に初めて触れたのは去年、金沢の21世紀美術館を訪れた時でした。

ちょっと歩き疲れたなーと思ってふと入った部屋の天井にある大きな空洞からは空が見え、ぼーっと見ていると空に吸い込まれて無の境地に入って知らず知らずの内に瞑想をしてしまってしまうような感覚に陥ってしまったのを覚えています。海の砂浜に寝そべって空を見ていると、動いているのが空ではなく自分なんだ!という感覚に陥る例の感覚に似ていました笑 

 

現代アートはよく意味が分からない。。。と食わず嫌いをしていたのですが、その感覚を味わってから少しずつ興味を持ち始めるようになりました!

 

タレルは光と空間を題材にした作品を制作するアメリカのアーティストです。

普段ひとが意識しない光を認識させる作品を多く制作しており、自然光のみを取り込む設計の地中美術館にはぴったりのアーティストとも言えますね。

 

地中美術館で見ることができる彼の作品の一つがこちら↓

http://benesse-artsite.jp/art/uploads/art/chichu/artist_turrell.jpg

(引用:地中美術館公式HP《オープン・フィールド》(2000)地中美術館 | アート | ベネッセアートサイト直島

これ以外にもある《オープン・スカイ》(2004)という作品にはナイトプログラムもあり、 毎週金曜・土曜は日没に合わせて特別プログラムに参加ができるんだそうです!ぜひ行く前には予約をしていってみてください!

地中美術館以外にも直島には見所がいっぱい

直島といえば、「あの水玉のかぼちゃがあるところ?」というイメージがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。(私はそうでした笑)

 

地中美術館以外にも直島には島全体にアートスポットが点在しており、泊まりがけでも行く価値がある見所がいっぱいあります。

特に、大竹伸朗さんが手掛ける実際に入浴ができる銭湯「直島銭湯「I♥湯」」には絶対に行ってみたいです!温泉とアートに同時に癒されるなんて贅沢ですよね。。!

benesse-artsite.jp 

例のかぼちゃを見に行くなら、今六本木で開催中の草間彌生展を見てから行くとより楽しめるかもしれませんね↓

www.arturquoiselife.com

 

行く前に地中美術館をもっと知りたかったら

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バベルの塔展感想!キモかわの魔物たちに会いにいこう!

東京都美術館で開催されているボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展16世紀ネーデルラントの至宝 ーボスを越えてーを見に行きました!

 

4月18日(火)に初日を迎えてから最初の週末だったので混雑覚悟で行きましたが、お昼時に行ったからか意外と混んでいなくて、待ち時間ゼロ、会場内も人で溢れかえっている訳ではなく、スムーズに鑑賞することができました。

f:id:turquoiselife:20170422170202j:plain

 

展覧会の構成

本展の構成は以下のようになっていました。

Ⅰ. 16世紀ネーデルラントの彫刻

Ⅱ. 信仰に仕えて

Ⅲ. ホラント地方の美術

Ⅳ. 新たな画題へ

Ⅴ. 奇想の画家ヒエロニムス・ボス

Ⅵ. ボスのように描く

Ⅶ. ブリューゲルの版画

Ⅷ. 「バベルの塔へ」 

バベルの塔展に行く前におさえておきたいポイント

① ネーデルラント絵画ってどんなジャンル?

本展覧会では、目玉となるボスとブリューゲルの作品だけでなく、数々のネーデルラント画家の作品を見ることができます。

 

まず、「ネーデルラント」とは何か。

ネーデルラント=Netherland=オランダと勝手に思っていたのですが、「ネーデルラント」とは「低地の国々」を指す言葉で、現在のベルギーオランダがその国々にあたります。

その中核をなしたのが南部のフランデル地方で、国際貿易と毛織物工業を中心に経済発展したことで市民階級が生まれ、文化発祥の地となりました。その後これら地域はハプスブルク家により統治される等、ネーデルラント絵画のコレクターが変化していったのも特徴として挙げられます。

 

中世の絵画は、文字が読めない人にも分かるよう宗教画が主流でしたが、ネーデルラント絵画では、主題は宗教画であるものの、独自の解釈を見せ始めます。

 

展覧会の「Ⅳ. 新たな画題へ」にもありましたが、今までは「宗教」が主題だった絵画から、主題は「日常」(風俗画、風景画、静物画)だけれども、その日常の一部として「宗教」が描かれる、というように宗教画の姿が変化していったのもネーデルラント絵画の特徴です。

 

例えばこんな感じです↓

従来の宗教画であれば、ギリシャ神話に登場する神カローンがメインに描かれていましたが、この絵では風景がの中にいるカローンというように描かれています。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/1/1b/Crossing_the_River_Styx.jpg/1024px-Crossing_the_River_Styx.jpg

(引用:《ステュクス川を渡るカロン》(1515-1524、プラド美術館所蔵)Wikipediaヨアヒム・パティニール - Wikipedia

また、何重も絵の具を重ねる技法がネーデルラント絵画の特徴だったのですが、その後、ネーデルラントの画家たちがイタリアに旅行しイタリア・ルネサンスの影響を受けたことから、さっとひと塗りするイタリア・ルネサンスの技法が取り入れられるようになっていきます。

② ヒエロニムス・ボスって誰? 

ネーデルラント画家の巨匠の一人であるヒエロニムス・ボス(1450頃-1516)。

画題として「日常」を初めて描いたネーデルラント画家であると言われているそうです。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/5/51/Jheronimus_Bosch.jpg/800px-Jheronimus_Bosch.jpg

(引用:Wikipediaヒエロニムス・ボス - Wikipedia

彼の特徴はなんといっても寓意的なモチーフグロい魔物たち! 

 

たくさんの情報が詰め込まれている絵を見て、「このモチーフは何を意味しているんだろう」、「うわ、こんなとこにこんな化け物!」、「こんな風に捉えるなんてすごい発想力だなー」とウォリーを探せの様に楽しめる個性的な絵画がボスの特徴で、とても人気の画家だったそう!独特な世界観からもシュルレアリスム的な要素が感じられます。

 

他の画家に与えた影響も大変大きく、多くの画家がボスの画法を真似し、ブリューゲルも影響を受けた画家の一人でした。

 

ボスの代表作であるこちらの《快楽の園》を見るためだけでもプラド美術館に行ってみたい。。!!

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/a/ae/El_jard%C3%ADn_de_las_Delicias%2C_de_El_Bosco.jpg/1280px-El_jard%C3%ADn_de_las_Delicias%2C_de_El_Bosco.jpg

(引用:Wikipediaヒエロニムス・ボス - Wikipedia

 

今年の12月には、ボスの没後500年を記念して、最も有名な《快楽の園》の謎に迫るドキュメンタリー映画「謎の天才画家 ヒエロニムス・ボス」が日本でも公開されます!

よりボスについて知るための格好の材料になりそうですね!渋谷にあるイメージフォーラムという映画館で公開されるようです。

イメージフォーラム・ダゲレオ出版 - シアター・イメージフォーラム


Hieronymus Bosch: Touched by the Devil Official Trailer 1 (2016) - Documentary

 

③ ピーテル・ブリューゲルって誰?

今回の展覧会の目玉《バベルの塔》を描いたのがピーテル・ブリューゲル(1525頃-1569)。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/6/63/Petro_Bruegel_Pictori.png/800px-Petro_Bruegel_Pictori.png

(引用:Wikipediaピーテル・ブリューゲル - Wikipedia

ブリューゲルは、「第2のボス」と呼ばれるほどボスの影響を大きく受けました。

ボスの 魔物たちの要素を受け継ぎつつも、ブリューゲルは主に農民の日常を描き、広大な風景の中に何人もの人・魔物を描くのが特徴でした。

 

また、ブリューゲルの絵画にはボス同様寓意的なモチームも含まれており、100程の諺を意味するモチーフが描き込まれた《ネーデルラントの諺》を描いています。国際貿易による発展が著しく進む中で、故郷のアイデンティティを絵画の中に閉じ込めたい想いがあったようですね。この絵画こそウォーリーを探せのように、諺を一つ一つ発見していったら楽しそうですね!

 

また、ブリューゲル家は5代にわたってネーデルラント画家として活躍しました。

《バベルの塔》を描いたピーテル・ブリューゲル1世の、ヤン・ブリューゲル1世の花の作品は美術の教科書とかでも見たことがありますよね。すごい一家ですね!

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/f/f2/Jan_Brueghel_the_Elder_-_Flowers_in_a_Wooden_Vessel_-_Google_Art_Project.jpg/800px-Jan_Brueghel_the_Elder_-_Flowers_in_a_Wooden_Vessel_-_Google_Art_Project.jpg

(引用:《Flowers in the wooden vessel》Wikipediaヤン・ブリューゲル (父) - Wikipedia

展覧会の見どころ

① マスコットキャラクター「タラ夫」

今回の展覧会の見どころはなんといってもこの「タラ夫」!!!

ボスやブリューゲルの絵に登場するきもかわ化け物たちを代表する、展覧会のマスコットキャラクターです。

すね毛が生えてるあたりがなんともいえない。。。このすね毛は本展覧会のオリジナルでつけられたものなのでしょうか。。笑

主催者の方々でマスコットキャラクターを決める際に、激しい議論が交わされたに違いありませんね。。。!!!

このタラ夫には、展覧会の出口で会うことができます。ぜひ一緒に写真をどうぞ!!

f:id:turquoiselife:20170422170224j:plain

因みにタラ夫はtwitterもやっているようですので、こちらもぜひチェックを!

タラ夫@「バベルの塔」展公式 (@2017babel) on Twitter

② 初来日したボスの2作品は必見!

16世紀の宗教改革運動で偶像破壊の影響を受けてしまい、現存するボスの作品は約25点しかないそうなのですが、その内の2点が今回日本初来日しました!

「約」25点と言われているのは、修復等がされていて、本物かどうかの判断が難しいものもあるからなんだそうです。

 

その初来日となったのは以下の2作品です↓

どちらもぱっと見ただけでは正直「ふーん」という印象だったのですが、描かれているもののひとつひとつの意味をいざ知ると、作品のメッセージ性や物語が見えてきておもしろい!!謎解きのように、隠されたメッセージを探すのも楽しそうですね!

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/t/tanazashi/20170107/20170107230558.jpg

(引用:ヒエロニムス・ボス《放浪者(行商人)》(1500年頃))

 

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/t/tanazashi/20170107/20170107230604.png

(引用:ヒエロニムス・ボス《聖クリストフォロス》(1500年頃、ボイマンス・ファン・ベーニンゲン美術館))

 

事前に公式HPで見所をチェックしたい方はこちら↓

見どころ|【公式】 ブリューゲル「バベルの塔」展

 

③ 目玉はなんといっても《バベルの塔》!

「バベルの塔」と聞いて最初に思い出すのが、菊池凛子さんが出演している映画の「BABEL」というくらい、きちんとバベルの塔を理解していなかったのですが、本展覧会では解説もしっかりありとても勉強になりました!

 

バベルの塔とは?

まず「バベルの塔」とは、旧約聖書の創世記11章に登場します。

当時、全ての地の人々は「同じ言葉を話す一つの民族」だったのですが、天まで届く塔を作って有名になり、人々が散り散りになってしまわぬよう目論んだのですが、神がそれを見て、ひとつの言語・ひとつの民族は神の存在を脅かすと感じ、人々をお互いの言葉を理解できなくさせ、また全地に散らせたと言われています。バベルの名前は、全地の言葉をバラル(混乱)したことに由来しているそうです。

※ 色々な解釈があるようですので、これはあくまでも一説です。

 

 ブリューゲルのバベルの塔は実は2点あります!今回実物を見ることができる方は、オランダ ロッテルダムのボイスマンス=ファン・ブーニンゲン美術館に所蔵されていて、もう1点はウィーンの美術史美術館に所蔵されています。

 

本展で見ることができる《バベルの塔》はこちら↓

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(引用:《バベルの塔》(1568、Museum Boijmans Van Beuningen, Rotterdam, the Netherlands)展覧会公式HPブリューゲル「バベルの塔」展|東京都美術館

 

もう一つの《バベルの塔》はこちら↓

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/f/fc/Pieter_Bruegel_the_Elder_-_The_Tower_of_Babel_%28Vienna%29_-_Google_Art_Project_-_edited.jpg/1024px-Pieter_Bruegel_the_Elder_-_The_Tower_of_Babel_%28Vienna%29_-_Google_Art_Project_-_edited.jpg

(引用:《バベルの塔》(1563, 美術史美術館)Wikipedia美術史美術館 - Wikipedia

 

絵の大きさにも違いがあることから、オランダの方を「小バベル」、ウィーンの方を「大バベル」と呼んだりもするんだそうです。

 

確かに、本展で見ることができる《バベルの塔》は思っていたよりも小さく、塔の中の人まであまり詳細に見ることができないのですが、安心してください。東京藝術大学によって作成された拡大版の複製画も展示されているので、じっくり人まで見ることができますよ。

 

後ろで見ていたおじいちゃんも、「こんな大きい塔だったなんて、人の大きさと比べてみなくちゃ分からなかったよー」と言っていましたが、とても分かります。豆粒の様に小さい人々の姿を見て初めてこの塔がいかに大きいものかが分かりました!

 

朝日新聞による面白い記事にもありましたが、バベルの塔の高さは東京タワーとスカイツリーの間にもなるほどの高さで、他のビルの横幅と比べても、いかに大きい建築物であるかが分かります。

本展では東京藝術大学とのコラボで実現したバベルの塔の3D解説も見ることができますので、よりリアルに壮大さを感じることができますよ。

www.asahi.com

 

④コラボ企画が豊富!

もちろん展覧会だけでも十分楽しめますが、バベル展は様々な企画とコラボしていて、美術展を見た後もまだ楽しむことができるんです!

色んなコラボはこちらの公式サイトからチェックできます↓

プロジェクトBABEL|ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展 BABEL 16世紀ネーデルラントの至宝 ―ボスを超えて―

 

ヒグチユウコさんのコラボ作品

ネコでおなじみのヒグチユウコさん。幼い頃からボスやブリューゲルのファンだったそうで、今回のバベル展で展示されている13点の作品のオマージュ作品を新作の画集で見ることができます!

バベル展のお土産ショップでも画集が売っていましたが、数冊しか残っておらず、かなり人気のようでした!このオマージュ作品とかもヒグチユウコさんの個性が溢れていますよね!

https://pbs.twimg.com/media/C_xkalVVoAA6xqO.jpg

(引用:公式Twitterヒグチユウコ★babel画集発売しました (@nekonoboris) on Twitter

画集はこちらからゲットできます↓

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 バベルをケーキカットしたらどうなる? 

バベルの塔を大胆にケーキカットしちゃったのは、漫画家・映像監督の大友克洋さん。大友さんもブリューゲルファンとのことで、今回ボイスマン美術館と意見交換をしてバベルの塔の内部、「INSIDE BABEL」の制作が実現しました!

しかも、その作品は無料で見れます!バベルの塔の展覧会会場の入り口に飾ってあるので、もう既にバベル展に行ってしまった方も、大友版バベルを観に行く価値ありですね!

展覧会概要

・会期:2017年4月18日(火)〜7月2日(日)

・会場:東京都美術館 企画展示室 

・開室時間:9:30〜17:30(金曜は20:00まで)

・休室日:月曜日

babel2017.jp

 

もっとボスとブリューゲルについて知りたかったら

ボイマンス・ファン・ベーニンゲン美術館

www.boijmans.nl

 

プラド美術館

www.museodelprado.es

 

 


 

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草間彌生展感想!水玉ワールドに浸りに行こう!

国立新美術館で開催中の「草間彌生 わが永遠の魂」展に行ってきました!

 混雑しているのは予想通りでしたが、外国からの観光客の方もとても多くて、草間彌生さんの世界的知名度の高さを実感できる展覧会でした!

 

GWとかは確実に混むかと思いますので、混雑を避けたい場合は平日や金曜の夜に行けるチャンスがあればそこを狙った方が良さそうです!5/22までですのでお急ぎください!

草間彌生って誰?

 草間彌生は、1929年の長野県松本市出身の前衛画家です。いや、パフォーマンスや執筆もしているので、総合的に前衛アーティストと呼んだ方が合っていそうですね。別名「前衛の女王」

http://kusama2017.jp/profile/img/pic01.png

 (引用:草間彌生 わが永遠の魂HP 草間彌生プロフィール | 草間彌生展「わが永遠の魂」国立新美術館

 

 草間彌生と言えば「あの水玉の人だよね?」と思う方も多いのではないでしょうか?私も「草間彌生=直島の黄色いかぼちゃ」のイメージがとても強かったです。

 

草間彌生にとっての水玉ってどういうモチーフなんだろうと思っていたのですが、小さい頃からテーブルクロスの模様が部屋中に見えたり、例の水玉模様が目の前に見えたりと、幻聴や幻覚に悩まされていたんだそうです。なんと植物や動物の話声も聞こえていたようです。

そこで、その恐怖から逃れるために、自身が見えているものを描き起こし始めたのがアーティスト活動の始まりとなります!

 

最初の活躍の場となったのは、なんとNY!草間彌生は1957年に単身NYに渡り、前衛芸術家として絵画・パフォーマンス・ファッション等幅広いジャンルで精力的に活動をし、高い評価を得ます。当時女性で前衛的な活動をしている人も少なかったようで、その点でも目立った存在だったようですね。

今ではあのタイム誌の「世界で最も影響力のある100人」に選出され、日本では文化勲章も受章しており、日本を代表する世界的アーティストとして評価を得ています。

草間彌生さんの活躍はざっくり分けて以下の4つに分けることができます↓ 

 

渡米後:「編み目・水玉」時代

今回の展覧会でもとても素敵な作品が数点展示されていましたが、NYに渡った後に草間彌生は「ネット・ペインティング」で一躍有名になりました。「ネット・ペイティング」とは、編目を反復させてキャンバスを覆った作品で、水玉の作品たちにも見られるような草間彌生の「反復」のスタイルがここで確率されます。この反復のスタイルはアンディ・ウォーホルにも影響を与えたと言われています。

その一つのモチーフの反復させたものを今度はどんどん「増殖」させていくことで、あの代表的な模様の水玉たちがこの時代に生まれます。

 

写真ではなかなか良さが伝わらない気がしますが、ネット・ペインティングはこんな感じ↓ 展覧会では白ベースのネット・ペインティングも見ることができたのですが、一見シンプルだけれども味があってとても素敵な作品たちでした。

https://casabrutus.com/wp-content/uploads/2017/02/0223kusama-yayoi05_666.jpg

 

(引用:Brutus Casahttps://casabrutus.com/art/38841/2) 

 

水玉の「反復」と言えばこのかぼちゃが有名ですね。直島に見に行ってみたい。。

http://www.naoshima.net/wp-content/uploads/2015/09/artmiyanoura-05.jpg

 

(引用:直島観光旅サイト「直島(なおしま)観光旅サイト」直島町観光協会公式

 

60年代:「ソフトスカルプチャー」時代

「反復」・「増殖」のテーマは変りませんでしたが、60年代に入ってからは、性行為に対する憎悪・恐怖に由来してか、男根状の立体物を制作するようになり、ものすごい数を家具や衣類に貼付けた作品を制作するようになります。

今回の展覧会でもいくつかの作品を見ることができます!

 

60年代後半:「パフォーマンス」時代

今回の展覧会で初めて知りましたが、草間彌生は作品の制作活動だけでなく、アート・パフォーマンスもNYで行っていました。道行く人々の裸体に水玉模様を描いたりと、「ハプニング」と呼ばれるパフォーマンスを行っていました。

今回の展覧会でもその時の動画を見ることができます!

展覧会の外では、水玉のシールを自由に体や会場に貼って楽しむことができるブースもありますので、ハプニング活動に参加してみてはいかがでしょうか?

 

http://www.yayoi-kusama.jp/i_comm/i_hap/l/070.jpg

(引用:http://www.yayoi-kusama.jp/j/happening/ハプニング「ラブ・イン・フェスティヴァル」》(1968))

また、この時代にはファッショの領域にも足を踏み入れ、ドレスやテキスタイルを制作し、自身のブティックも開店しました。Googleで検索すると出てくるかと思いますが、「イカドレス」はかなりの衝撃です!

帰国後:野外彫刻・「我が永遠の魂」時代

73年に日本に帰国後は、個展を開催したりと活躍を続けていましたが、 94年以降は野外彫刻を中心に創作活動を行いました。この流れで生まれたのが例のかぼちゃたちですね。

あとはルイ・ヴィトンとのコラボも一躍草間彌生の名を有名にしたきっかけとなりました。商品を見た時に衝撃を受けたのを今でも覚えています。


Making of the Kusama Louis Vuitton windows at Selfridges

また、2009年からは、今回の展覧会のメインテーマでもある「わが永遠の魂」シリーズの制作を始め、正方形の絵画群の数を増やしていきました。

展覧会見所

展覧会では、今回の展覧会のテーマでもある「わが永遠の魂」の作品群をまずは見ることができます!このスペースはなんと写真撮影OKなんです!

なかなか写真では伝われないかと思いますが、何枚もある作品が四方の壁一面に展示されており、どれもカラフルで圧巻でした!部屋に足を踏み入れて思わず「わお」と言ってしまう感じです。

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 「反復」・「増幅」のテーマは変らないものの、目や細胞?をモチーフにした作品が多く、原始的な印象を受ける作品も多かったです。

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かぼちゃのイメージが強いので、こちらの上半分の水玉は見覚えのある模様ですね↓

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きれいな色だな〜と思ってアップで写真をとってみたら、よく見たら水玉ではなく全てまさかの「目」でした!!草間彌生にとっての目はどのような意味があるのでしょうかね。

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会場の外ですが、特別に野外展示として水玉ボールと例のかぼちゃも見ることができます!!

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展覧会概要

・会場:国立新美術館 企画展示室1E(〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2

・会期:2017/2/22(水)〜5/22(月)

・休館日:毎週火曜日

・開館時間:10:00~18:00(金曜日と4/29~5/7は20:00まで開館)

kusama2017.jp

草間彌生をもっと知りたかったら

松本市美術館

草間彌生は長野県松本市出身。松本市美術館は総合美術館ですが、草間彌生の作品を見ることができます。

松本市美術館

 

関連書籍

展覧会が開催中なことから、各メディアで取り上げられてますね。

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ミュシャ展感想!圧巻の《スラブ叙事詩》全20作を見に行こう!

「ミュシャ展」に行ってきました。 

メディアでも大きく取り上げられていたので絶対に混んでるだろうと思い、気合いをいれて平日に行きましたが、平日でも十分混んでいました!

ただ、並んででも見る価値のある圧倒される作品ばかりで、絶対に見に行った方がいいです!6/5まででその後は日本国内での巡回はありませんのでお急ぎください!

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ミュシャって誰?

 アルフォンス・ミュシャ(Alphonse Mucha 1860-1932)と聞いて、華やかなポスターやカラーリトグラフ(装飾パネル)をイメージする方は多いのではないでしょうか?

ポスターの優美な女性像のイメージが強かったため、勝手に女性画家だと思い込んでいたのですが、男性画家だったんですね。

http://www.muchafoundation.org/static/img/timeline/timeline_landing.png

 (引用:Mucha Foundation

ミュシャはアール・ヌーヴォーを代表する画家で、彼の画家人生は、前半をおなじみの華やかなポスター作成期、後半を《スラヴ叙事詩》に作成期に分けることができます。

 

前半:人気商業画家時代

ミュシャは、オーストリア領モラヴィア(現チェコ共和国)に生まれました。

19歳の頃にウィーンに舞台装飾画家として働きに出ましたが、その劇場が焼失したことから解雇になってしまったのをきっかけにミクロフへ行き、名士の肖像画制作で生計を立てるようになります。その間にミクロフの大地主に出会い、彼のお抱えとしてお城の絵画の修復を担当するように。

 

その大地主の伯爵の援助もあり、ミュンヘンの美術アカデミーに留学することになり、卒業後はアカデミー・ジュリアンで学ぶためにパリへ行きます。

 

伯爵の援助がここで切れてしまったことからミュシャは挿絵や広告の仕事を始めます。画家との交流もあり、30歳頃からはポール・ゴーギャンやロダンと親交を深めました。

 

そんな中転機がやってきます!!

戯曲『ジスモンダ』という舞台に主演する大人気女優サラ・ベルナールのためのポスター制作を依頼されます。ミュシャにとって本作が初めてのポスター作成でしたが、このポスターが大好評となり、一躍ミュシャは有名に!ベルナールとも約6年間も契約を結ぶことになります。

そのミュシャの転機となったポスターがこちらです↓

http://www.mucha.jp/gismonda1.jpg

(引用:Wikipediaアルフォンス・ミュシャ - Wikipedia

 一躍大人気になったミュシャは、演劇用のポスターのみならず、広告用ポスターや挿絵、お菓子のパッケージ等のデザインを手掛ける等、活躍の幅を広げました。

今でも人気はモエ・シャンパンの広告ポスターも手掛けていたようです。こちらはタバコの広告ポスター↓

https://mucha.sakai-bunshin.com/servlet/mucha_image?pid=440049

(引用:《ジョブ》(1896)堺市立文化館 堺 アルフォンス・ミュシャ館 | 堺 アルフォンス・ミュシャ館について) 

アートを人々の生活の中に取り入れることができる広告やパッケージ等に精力的に取り組んだのは、イギリスのアーツ・アンド・クラフツ運動の意思を引き継いでいたミュシャのアートに対する考えにも合致していたのからなのかもしれませんね。

後半:《スラヴ叙事詩》時代

大活躍をしていたミュシャですが、1900年のパリ万博で参加国22カ国でスラヴ文化の象徴となるボスニア・ヘルツェゴビナ館の室内装飾の依頼を受けてから、スラヴ民族の素晴らしさを伝えたい絵画制作をしたいとの想いが強まるようになります。ボストン交響団の「わが祖国」を聞いてよりその想いが強まり、《スラヴ叙事詩》の作成を決意します。そして完成した連作は、チェコスロヴァキア独立10周年の1928年に、プラハの宮殿で公開されました。

 

その後プラハ市に寄贈されるも、残念ながら完成当時は古風な歴史画と捉えられてかあまり人気はなかったようで、常設されることなく長年倉庫に保管されていました。ようやく公開されるようになったのはなんと2012年で、チェコでもなかなか見ることができなかった作品たちが日本にやってきたのでやっぱりすごいですよね!

 

ミュシャが牽引したアール・ヌーヴォーというジャンルの詳細については以下に記事を書いています↓

turquoiselife.hatenablog.jp

展覧会の見どころ

見所その①:チェコ国外で初公開!

 今回の展覧会の見所はなんといっても《スラヴ叙事詩》です!

なんと全作がチェコ国外で公開されるのは今回が初めてなのです!ミュシャの故郷であるチェコ以外で日本が初めてです!

 

日本ではミュシャは人気なので色々な展覧会で彼の作品を見ることはできるのですが、やはりミュシャと言えばポスターのイメージが強く、彼が画家人生の後半を捧げた《スラヴ叙事詩》20作を一挙に見ることができるのはチェコに行かない限り一生に一度になるのではないでしょうか?

このチャンスは逃せませんね!六本木に見に行きましょう!

 

《スラブ叙事詩》の展覧会のポスターはこちら↓

ポスターからもう素敵ですよね!!

https://mucha.sakai-bunshin.com/members/servlet/ImgServlet?file=2012-04-04-15-30-04-810_1199.jpg

(引用:堺 アルフォンス・ミュシャ館堺市立文化館 堺 アルフォンス・ミュシャ館 | 展示情報

見所その②:20作全揃い!

20作品が一度に同じ空間に並んでいるのは圧巻です!何時間でもその場にいれそうで、ちょろちょろ歩きまわりすぎて腰が痛くなったくらいです。。

 

視覚的にも十分に楽しめるかと思いますが、ミュシャがせっかく祖国への想いをたっぷり詰め込んだ作品ですので、その歴史的背景や意味について少しでも知っていたらより鑑賞を楽しめるはずですので、ぜひぜひ予習をしていってみてください!

 

普段音声ガイドはあまり利用しませんが、今回は作品に込められた想いを理解するためにとても役立ちました!心地よい音楽と壇れいさんの優しい声にも癒されるのでぜひ利用してみてください(¥520)🎵

 

そして、撮影可能コーナーがあり、なんと20作中5作については写真撮影が可能です!

撮影可能だった5作をご紹介します!

 

①《スラブ菩提樹の下でおこなわれるオムラジオ会の誓い》(The Oath of Omladina under the Slavic Linden Tree)

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色合いがとても素敵な一枚ですよね。

スラブ民族を外国の支配から解放することを目指した団体オムラジナを描くことで、スラヴ民族の復興を願った一枚です。後ろにいる一部の人の顔が描かれていなかったりと、まだ未完成なのではないかと思われています。

 

注目したいのは、画面左下で鑑賞者に視線を投げかけているこちらのハープ弾きの少女。なんとミュシャの娘がモデルなんだそうです!ポスターにもなっていて、ミュシャのポスターで描かれている女性のようにとても美しくて引き込まれてしまう魅力がありますよね。

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②《聖アトス山》(The Holy Mount Athos) 

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アトス山の寺院はギリシャ正教会最古の宗教施設で、正教会の僧侶はスラヴ文化の普及に献身したころからミュシャは題材に選んだのではないでしょうか。

 

③《スラヴ民族の賛歌》(The Apotheosis of the Slavs)

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スラブ民族の自立を象徴したこの作品はシリーズ最後の作品です。

4色のパートに分かれていて、左上の赤い部分は戦争と領土拡張、その下の黒い部分は遊牧民の襲撃と抑圧の時代、右下の青い部分はスラヴの神話時代、その隣の黄色い部分はチェコスロヴァキアからの独立により得た自由・平和・友愛・勝利を表しています。

 

④《イヴァンチツェの兄弟団学校》(The Brethre School in Ivancice)

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チェコの宗教改革運動を牽引した学校を題材にした作品です。

手前にいる2人に視線が引き込まれますが、この盲目の老人に聖書を読んでいる少年は若かった頃のミュシャをモデルに描かれたものだそうです。

鑑賞者にがっつり視線をなげかけていて何かを訴えかけているようですね。

というか若きミュシャはイケメンですね(自分で盛っちゃった?笑)。

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⑤《ロシアの農奴制廃止》(The Abolition of Serfdom in Russia)

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 こちらはスラブ・ロシア文化好きなアメリカ人のパトロンに依頼されて、実際にロシアに取材訪問して描いた作品です。ロシアの農奴制度の廃止が他のヨーロッパの国々に比べて遅かったことから、ロシアにおける格差の解消を願って描かれたそうです。

農奴制度の廃止がテーマなのにどこか人々がその状況をまだ理解できていないような表情なのが印象的です。

見所その③:圧巻の大画面!

 写真ではなく、絶対に実物を見に行った方がいいのは、20作品のどれも大迫力の大きさで、見ても見ても新しい発見がある程見所がたっぷりで圧倒される作品ばかりだからです!混んでいる美術展はゆっくり作品を見ることができないのであまり好きではないのですが、今回の作品はどれも大きいので鑑賞者が大きくても十分時間をとって鑑賞することができました。

こんな大きい作品を20点もどうやって運んで展示したんだろう。。と思いましたが、その展示風景が公式HPに載っていました↓


スラヴ叙事詩展示風景

 

展覧会概要

会期:2017年3月8日(水)ー 6月5日(月)

会場:国立新美術館

開館時間:午前10時―午後6時(毎週金曜日、4月29日(土)-5月7日(日)は午後8時まで)

休館日:毎週火曜日

www.mucha2017.jp

 もっとミュシャの作品が見たかったら

堺 アルフォンス・ミュシャ館(6/30まで休館中)

日本にもミュシャの美術館があります!

mucha.sakai-bunshin.com

 

プラハ ミュシャ博物館(プラハ)

MUCHA museum

 

Mucha Foundation

ミュシャの作品たちを見ることができるサイトです。

www.muchafoundation.org

 

展覧会公式カタログ

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